( 1 )クルマ社会はオトナ社会

道路では、ありとあらゆるタイプのオトナが、ありとあらゆる目的で、ありとあらゆるクルマを運転しています

クルマのタイプや性能もえらい違いですが、運転するオトナのみなさんも、性別、年齢、世代、価値観、運転技術、クルマに対する思い入れもさまざまです。

あらゆるドライバーが運転するあらゆるクルマがあふれる道路というこのカオスで、絶え間なく続く一期一会のなかで、いかに周囲との調和をし、いかにトラブルを避け、少しでもストレスのない(というかストレスを感じない、ストレスを残さない)楽しいドライブをするか・・・ドライブとは、オトナ社会でのメンタルトレーニングとしてまさに最高のステージといえます。

ドライブの魅力とは

ドライブの魅力とは何か、ひとくちに言えない懐の広さがまずドライブの魅力だと思います。

まず、公共交通機関と違うのは「時間に左右されずどんなスケジュールでも組める」「好きなBGMに浸れる」「閉じた空間なので周囲に気を使う必要がない」点にあると思われます。

また、ドライバーのなかには、私も含めて「クルマという機械を操縦することそのもの」に魅力を感じる人もいると思われます。

もちろん、公共交通機関がないためやむをえずクルマを使わざるをえない人もたくさんいらっしゃいますし、クルマの運転が苦痛でしかたがない人もたくさんいらっしゃいます。

しかも、公共交通機関でないためにスケジュールは自由ですが、一方で、交通事情などによってスケジュールが大幅に狂うリスクもあります。

ドライバーにとっては多少の疲労があります。

ただ、クルマの免許を持ち、それなりにストレスなくクルマを運転することができ、思い立ったら自由にどこへでも行くことができるかできないかというのは、人生に劇的な違いを及ぼすような気がします。

ほぼ共通する願い

道路上には、さまざまな目的を持ったさまざまなオトナに運転されたさまざまなクルマが存在します。 クルマのタイプや性能もさまざまですが、運転するオトナのみなさんも、クルマやクルマの運転に対する考え方が違ううえに、性別、年齢、運転技術、運転経験、さらにはその時々の気分もさまざまです。

さて、価値観が多様化するこの時代、クルマそしてその運転に対する考え方についてそれぞれ多数派や少数派はあるでしょうが、100かゼロかというのはほぼありえないような気がします。でも、おそらく100%にかなり近い圧倒的多数の方に共通することがあります。それは・・・

トラブルや事故に遭いたくない

「自分はトラブルや事故なんか起こすはずがない」とい自信満々な方も多数いらっしゃるとは思いますが、それはそれとして、トラブルや事故に遭いたくないという点では同じはずです。

「自分はトラブルや事故に遭ったことがない」のは、実は、自分のウッカリを相手に回避してもらったからかもしれないのです。

そのためには、いかにリスクを察知してトラブルを予防するか、リスクに遭遇しつつあるときにいかにトラブルを回避できるかということになります。

ところで、クルマを運転するためには、免許がなければなりません。普通自動車の運転免許は満18歳以上で取得することができますが、人口構成的に見て、クルマを運転する人は圧倒的に成人(オトナ)です。よって、クルマ社会はまさにオトナ社会の縮図といえます。

道路というカオスで、絶え間なく続く一期一会のなかで、いかに周囲との調和をし、いかにトラブルを避け、少しでもストレスのない(というかストレスを感じない、ストレスを残さない)楽しいドライブをするか・・・ドライブとは、オトナ社会のトレーニングとしてまさに最高のステージといえます。

( つづく )