( 4 )質より量か、量より質か

「とにかくひたすら新しい問題を解きまくったほうがいいのか」それとも「解いた問題を完璧にしていくほうがいいのか」悩ましい問題です。

両方追求できればいいのですが、そこまで実力が達していない場合には後者を優先したほうがよいと思われます。

本試験中にもっとも避けたいこと

本試験中で一番避けたいことはなんでしょうか。

「これやったことある!!」「でも、なんだったけ?」という事態です。「ちゃんとやっておけばよかった」と後悔してももう遅いことになります。

試験なので、誰も解けないような問題が出ても差が付きません。解ける人と解けない人がいるような問題が出るから試験になるのです。

問題集や模試は適当に作られているわけではありません。実力を養うには必要不可欠だったり、本試験を予測して作られているのです。

ですから、ある程度以上がんばった方は、やったことがあるテーマに本試験で当たることになります。

本試験のときに「やった!ヤマが当たった!」と有頂天になってしまうか、「ヤバい!これはみんなできるからミスしたら落ちる」と緊張するかは、それまでの準備によります。

時間をムダにしないためには・・・

自分が他の楽しい時間を犠牲にしてまで勉強に時間を費やしていること、時間を費やしたのだからそれが報われるようにしたいと願うことは当然・・かどうかはわかりませんが、自然だと思われます。

だとすれば、少なくとも初学者から中級者レベルまでは、やはり解いた問題を完璧にしていくことが重要なのではないでしょうか。

解いた問題を完璧にしていれば、新しい問題を解いても正答率は上がっているはずです。そうすれば、その復習の時間も短縮することができ、完璧なストックもどんどん蓄積し、さらに、新しい問題の正答率が上がると思います。

ところが、これは私の無能さゆえなのですが、「完璧」というのは実はなかなか難しいのです。

ケアレスミスもありますが、「こんなのわかってるよ」「もう解いたことあるもん」という慢心によるミスがあるからです。

「こんなのわかってるよ」という心理状態、まさに、本試験中にも起こりうることですよね。

そう考えると、巷でよく聞く「100%の力が出せれば合格する」「本番では実力を発揮できる」「本番ではミスしない」というコトバの信頼性というのはいかがなものなのかという気もしてしまいます。

ミスは必ず起こるもので(緊張してますし)、ミスをしても合格できるための準備をしておくことが重要なような気がしないでもありません。

砂の上り坂

解いた問題を完璧にしていれば、新しい問題を解いても正答率は上がっているはずです。そうすれば、その復習の時間も短縮することができ、完璧なストックもどんどん蓄積し、さらに、新しい問題の正答率が上がると思います。

とくに、国語や英語などといった問題だと、「常に新しい問題文を見るわけだから一度解いたのをもう一度解くのは意味がない」という考えは非常に理解できます。2度目なんて、解答もわかってますし。ただ、選択肢の絞り込みとか、解説通りにアタマが動いているかどうかが重要なのです。簿記などでも、解答はわかりきっていても、ケアレスミスなく解答用紙に数字が書き込めるかどうかが重要なのです。

何より、初回より2度目、2度目より3度目はより早く解答ができるはずです。正答率が高ければなおさらです。

もし、「常に新しい問題文を見るわけだから一度解いたのをもう一度解くのは意味がない」として、とにかくバンバン問題を解くものの、なかなか正答率が上がらないとしたら、まるで、砂地の上り坂をどんどん駆け上がっているのに、ズルズルと後ろに下がっているようなものです。後ろに下がっても、その下がるのが減っていくような学習をしないと、なかなか実力は上がらないんじゃないかと思いますし、時間を有効に使えていないんじゃないかと思います。

( つづく )