( 7 )配賦と端数処理
ワークシート上で、給料や賞与(概算額)や法定福利費(概算額)などについて、それぞれの項目ごとに各作業内容ごとに配賦することになります。
各項目ごとに配賦するのは、会計上の処理、すなわち、仕訳の基礎数値を出すためであるばかりでなく、概算額を実額に洗い替えたり、事後的に修正が生じたときの入れ替えや組み替えが必要になったときに対応しやすくするためです。
大切なのは、配賦前の数値と、配賦後の各項目の個々の数値の総和と一致させること、ズバリ端数処理です。
1円違わず一致するように仕上げることが大切なのです。仕訳もそうでなければ入力できませんよね。
作業時間のワークシート上の展開
従業員ごとの月間の作業時間を、個々の作業内容ごとの時間に展開します。
重要なのは、個々の作業内容ごとの時間の合計が、月間の作業時間合計とピタリ一致することです。
その前提として、月間の作業時間合計額の値について、セルに表示されていない単位未満の数値がないかどうか確認しましょう。ここを確認しないのにピタリ合わせることは不可能です。
なお、「分(minutes)」をどう処理するかも大切です。最初のタイムシートのレベルでの約束事にするか、集計レベルでルールづけするかによって異なります。
フレキシブルに変更や修正を可能にする
事業それ自体や経営方針の変更、従業員数の増減などによって、ワークシートは大きく変わることになります。フォーマット自体を変えた方が作業効率がよくなることは少なくありません。
また、やましい動機とは関係なく、いろいろな事情で作業内容に事後的に変更が加わる(追加や分割や併合)こともあります。このため、ワークシートはガチガチに組むのではなくフレキシブルに調整しやすくすることが大切です。
このため、ワークシートはガチガチに組むのではなくフレキシブルに調整しやすくすることが大切です。
この場合、なんのために修正する必要が生じたのか、修正前と修正後はどう異なったのかを説明できることが必要です。
また、ワークシートは担当者しかわからない複雑な計算の入ったブラックボックスにしてはなりません。検証可能性のあるシンプルなシートにすべきです。他人が検証しやすいワークシートを作ることを意識することで、シンプルでミスの少ないものになると思われます。
人件費の配賦と端数処理の方法
いよいよ給料や賞与(概算額)や法定福利費(概算額)などについて、それぞれの項目ごとに、各作業内容ごとに配賦することになります。
なぜ、「それぞれの項目ごとに」なのでしょうか。仕訳のためです。これらのワークシートは会計上の仕訳の金額の基礎資料です。ですから、各勘定科目ごとに分かれているほうがよいと思われます。
また、個々の項目の金額が間違っていることもありえます。そのときに、全体の一部だけ修正するというようなリスクのある方法よりも、その部分だけを入れ替えられるようにすればよいと思われます。
配賦計算と端数処理の方法
配賦にあたっては、第一段階として、各従業員について、当月の給料や賞与(概算額)や法定福利費(概算額)を当月の労働時間で除する「賃率の計算」と、第二段階として、これを各作業内容の時間を乗じて配賦するというふたつの計算があります。
私の場合には、第一段階(途中計算)では端数処理は行わず、第二段階(配賦計算)の計算結果で端数調整しています。
なぜなら、もし作業内容(そして作業時間)に変更があったときに、変更前に第一段階で端数処理をしていると、再び端数処理をしなければならなくなってしまいます。配賦された金額の端数処理がなされていればよいわけですから、途中はなりゆきに任せて端数処理はしないほうがベターだと思います。
そこで、第二段階すなわち、実際の配賦金額を決める段階で計算式に端数処理を入れます。 これにより、最終的な配賦金額の端数は生じなくなります。
配賦計算と端数処理の方法
配賦された金額は円未満の端数は処理されますが、この端数処理のために、「配賦過剰」「配賦不足」が生じます。つまり、配賦前の金額と、配賦された金額の合計が一致しなくなります。これは、それぞれの項目ごとに、切り捨てや切り上げや四捨五入による端数処理が行われているからです。
そこで、この端数をどう処理するかが問題となります。
結論的には、重要性のない作業内容で加減算することになります。
それぞれの作業内容も、その重要性に差があります。とくに、当期の費用とはならず資産計上が求められる作業内容については期間損益に重要な影響を与えます。いっぽう、実質的には会計上の表示科目の違いにすぎないようなものもあります。
まず、行または列を2つ挿入します。一つ目のセルは、各作業内容を合計した額を表示するセルです。二つ目の行または列のセルは、この一つ目の行または列のセルと配賦前の人件費の金額との差額を表示するセルです。この二つ目の行または列のセルにより、その項目の配賦の段階で端数が生じていることが簡単に判明します。
次に、二つ目の行または列のセルで明示されている端数を、それほど重要でない作業内容のところで加減算するのです。
( つづく )